第35回 新技術研究会
生成AI時代のデータセンター最前線:技術進化とサステナビリティの両立 実施報告
日時
2025年10月8日(金) 15:00〜16:40
主催
ASPICセミナー事務局
講演内容
タイトル
「生成AI時代のデータセンター最前線:技術進化とサステナビリティの両立」
講師
日本データセンター協会(JDCC)運営委員
サーバ室技術ガイドブックWGリーダ
尾西 弘之(おにし ひろゆき)様
オープンコンピュートプロジェクト ジャパン(OCP-J)運営委員
株式会社KOCHI ジャパン 代表取締役 情報流通行政局
講演概要
生成AIの急速な普及により、データセンターは第5世代「AIDC(AI Data Center)」へと進化している。AIやIoTの拡大に伴い、演算能力と電力需要が飛躍的に増大し、従来の設備では対応が難しくなっている。こうした高密度化に対応するため、空冷に代わって水冷方式「Direct Liquid Cooling(DLC)」が導入され、水の熱搬送能力が空気の約3,500倍に達することから、高性能GPUサーバを効率的に冷却できる。さらに、415V三相による給電や、AIクラスタ専用ネットワークの構築が進み、電力(ワット)と通信(ビット)を統合設計する「BitWatts」構想が注目されている。
経済面では、データセンターが不動産投資対象として拡大し、クラウド事業者主導のBuild-to-Suite型開発やREITによる資金調達が活発化。投資モデルもROI重視から需要拡大を前提とした収益重視へと転換している。一方で、電力・水の大量消費に対する地域住民の懸念も高まり、運営者には環境負荷低減と透明性が求められる。再生可能エネルギーや廃熱再利用、低炭素資材の採用など、ESG対応が重要性を増している。
生成AI時代のデータセンターは、単なる情報処理施設を超え、エネルギーと知能を融合する社会インフラへと変貌しており、今後は技術革新と持続可能性の両立が鍵となる。
質問・コメント
次のような質問&コメントがありました。
- Q: 日本でデータセンターREITの事例はありますか?無いとしたらネックは何でしょうか?
- Q: 日本のデータセンター電力消費量が米国に次ぐ2位で、中国よりも大きい理由は何でしょうか?ITの規模で見ると中国が2位になるかと思いますが。
- Q: IXから遠い場所のデータセンターはどのようなビジネス戦略で対応していますか?
講演模様
JDCC 尾西弘之様
資料:ASPIC会員限定のHPに掲載
本件問合せ先
ASPICセミナー事務局
E-mail:[email protected]
TEL:03-6662-6591